2013年10月16日水曜日

黄金の陣羽織

村上家の陣羽織は「赤」なのでは?


じつは㊤の家紋が入った陣羽織は2種類が伝来しているのです。
ひとつは真っ赤な猩々陣羽織(しょうじょうじんばおり)。猩々とは、中国古来の想像上の動物とされ、中国では黄色の毛ですが、日本では赤面赤毛のめでたい動物として知られるそうです。
村上武吉や息子の景親が着用したと伝わるものですが、一方で、江戸時代の資料とも考えられています。


不許転載

そしてもうひとつは、この金襴陣羽織(きんらんじんばおり)。
金襴とは、金糸で文様を織り出した織物のことだそうです。㊤の家紋が欠損しているのが残念ですが、羽織自体の文様や色は綺麗に残っています。

久しぶりに金襴陣羽織を展示したのには理由があります。

猩々陣羽織は布でできているので、常時展示しておくと、少しずつですが退色してしまいます。
少し専門的な話ですが、照度は50ルクス以下で基準よりも暗くしているので、ほとんど光の影響はありません。ただ将来に渡って良好な状態で保存することを考えると、定期的に収蔵庫で休ませた方が良い、そう判断したのです。

ただ当館の象徴でもある陣羽織が無いとさみしい。という意見が多く聞かれました。
そこでこの金襴陣羽織を展示することにしました。久しぶりの展示ですが、以前は壁面のケースに展示していましたので、前面をご覧いただくことができませんでした。今回は、独立ケース。つまり、前後両面をご覧いただけるように展示しています。

今後は、半年をめどに猩々と金襴を入れ替えようと思っています。猩々は4月~9月、金襴は10月~3月の予定です。ただ展示替えの都合により、変更する場合がありますのでご了承ください。

ただいま開催中の企画展「ここまでわかった能島城」とともにぜひご覧下さい。(K)