遠景写真ではわかりにくいですが、ソメイヨシノはえんじ色、クヌギは山吹色、ハゼノキは赤く鮮やかに色づきます。
中央右が能島、左が鯛崎島(南東の方角から撮影) |
そして、紅葉が終わり、葉が落ちると、城の平坦面(郭)がはっきりと見えるようになり、能島が城であったことがなんとなくわかるようになります。
古写真を見ると、かつての能島には現在繁茂しているような大木はありませんでした。
その後のソメイヨシノの植樹によってしだいに土壌が肥え、クヌギなど大木が育つ基盤ができていったと考えられています。
斜面に生えている大木は、強風を受けると脆い岩盤を抱いたまま倒れてしまう恐れがあります。また、大木の根は岩盤の亀裂や柱穴跡などの遺構に入り込み、さらに土器などの遺物を壊すことが近年の発掘調査でわかってきました。つまり、能島の樹木が、400年以上残ってきた遺跡を壊す原因の一つになっているということなのです。