2013年6月5日水曜日

石屋の語りに耳を傾ける

鑿で石を割る(昭和30年代 当館蔵 不許転載)

マタグルマで石を運ぶ(昭和30年代 当館蔵 不許転載)



宮窪といえば“大島石”。丁場(ちょうば)と呼ばれ、強い存在感を放つ採掘場では、今日も重機たちが豪快に走りまわり、ジェットバーナーの轟音が響きます。

今でこそ機械化されていますが、ひと昔前には、鑿と矢を使って人力で石を割り、割った石をマタグルマという台車に乗せて、山をくだっていました。当館には昭和30年代の写真が多く残っており、石と向き合ってきた人々の貴重な記録として大切に保管しています。また石文化運動公園にある石文化伝承館(体育館内)にも貴重な石の道具が展示してあります。


『石を切る 花崗岩採掘の伝統と革新』
大島石をひとつの事例として、石屋さんの語りに耳を傾けた映像記録が完成し、このたび当館にも寄贈いただきました。製作・著作は国立歴史民俗博物館。長年、宮窪町をフィールドとして活動されている民俗学者、松田睦彦さんが監督されました。

松田さんと私Kとの付き合いは、もう9年くらいになるでしょうか。
私が宮窪町へやってきた頃、時を同じくして松田さんも本格的に宮窪町の調査をはじめられました。

DVD2枚組。
DISC1
■本編(69分) 石を切る 花崗岩採掘の伝統と革新
■ダイジェスト1(4分) 江戸城の石を切る
■ダイジェスト2(6分) 鑿と矢で石を割る
■ダイジェスト3(11分) 現在の花崗岩採掘
DISC2
■技術編(51分) 花崗岩採掘技術の現在
■インタビュー編(59分) 石屋の語る仕事とくらし


昨日、石材組合にお勤めのある知人と大島石について話す機会があり、この記事を書きました。映像をご覧になられたい方は、当館の学芸員にご相談ください。(K)