2014年8月3日日曜日

現存する2つの村上武吉過所旗(通行許可証)

現在開催中の特別展『海のスペシャリスト-小説『村上海賊の娘』にみる“海賊働き”とは-』におきまして、村上武吉の署名と花押(サイン)が記された過所旗(かしょき)の実物を展示しています。


過所旗とは、関所などの通行許可証として使われた旗のこと。
村上武吉の過所旗は、現在2点しか実物の存在が確認されていませんが、この2点を村上水軍博物館で借用し、特別公開しています。過所旗の実物展示は愛媛県内初です。


一点は、山口県文書館保管の「厳島祝師」宛てのもの。祝師(ものもうし)は、神官のことです。
実物を見ていただきたいので、あえて写真は出しません。

山口県文書館保管のこの過所旗は、8月22日(金)までの実物公開です。23日以降は、写真展示になります(村上水軍博物館にはレプリカも展示しています)。夏休みにご家族でご覧いただきたいと思ったので、公開期間をこの時期に設定しました。ご来館をご計画の場合は、8月22日までをおすすめします。



もう一点は、和歌山県立博物館保管の「紀州雑賀向井」氏宛てのもの。紀州雑賀(きしゅうさいか)は、『村上海賊の娘』でも登場する鉄砲集団「雑賀衆」の地としても知られています。向井氏は、雑賀の商業勢力ですね。これもあえて写真は出しません。


向井強右衛門の「強」は、「経」説もありますし、「弾左衛門」とする説もあります。みなさんならどう読むでしょうか。ぜひ実物を見てください!和歌山県立博物館保管のこの過所旗は、全期間9月23日まで展示しています!

それから・・・
『村上海賊の娘』のモチーフとなった女性が記された唯一の家系図。『譜録 村上図書元敬寄組』も現在展示中です。こちらも8月22日までの限定公開です!ぜひご覧ください!

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