「法楽焼き」とは名物の焼物ではなく、地元今治、特に大島付近に見られる郷土料理のことで、「ほうろく鍋」とも呼ばれているようです。
ほうろく鍋は薄くて扁平な素焼きの器ですが、「ほうろく」は村上水軍が武器として用いていたと言われています。
爆発する火薬を陶器に格納し、敵の軍船に投げ入れ、爆発させるという手榴弾のようなものであったと考えられており、実際に木津川口の戦い ( 石山本願寺への兵糧搬入した毛利・村上水軍 VS 織田軍 ) で使用されたと信長公記は伝えています。
( ほうろくイメージ想像図 ) ( 香川元太郎氏 原画修正 当館蔵 ↑不許転載 ↑ )
実際に使っていたものが能島城などで検出されれば、大発見なのですが、有効な資料がなく、今のところ形状等は不明といわざるを得ません。
ほうろく鍋のような薄い鍋を、2枚組み合わせると薄い円盤 ( どら焼き ) のような形状になり、より遠くへ飛びそうな感じもしますが、火薬量に制限があるため、もっと深い鍋や、小型の壷・甕なんかを使っていたのでしょうか??
話は変わってここからは、海の幸について。
私の故郷では見られない料理方法で、塩味の効いたふっくらでありながら歯ごたえのある食感は、一度味わうと病み付きになっちゃいます。
その料理法はいたって簡単。
薄い素焼きのほうろく鍋に、川原で採れる小さく角の取れた丸石を敷き詰めて、その上に「鯛」などを中心に新鮮な魚介類を盛って焼きます。
実際、能島でも生活に必要な鍋も大量に出土したりしますし、ほうろく鍋に並べれそうな丸い川原石がよく出土します。
よく地元宴会のメインデッシュで見かけたとき、僕はこの小石が気になって仕方ありませんでした。料理が出された段階でジュージュー焼で触れないほど熱くなるほうらく鍋も、宴会が進むにつれ、次第に冷めていくのです。。
一方、この小石だけは宴会開始から2時間ぐらいたっても、タイの↓にじんわりと熱を持っているではありませんか。。
きっと、焼き上がりの塩味を効かすことと、丸焦げ防止。長時間の保温に効く一品なのでしょう。
「法楽焼」は海の幸を最も美味しくいただける最良の料理法です!!(D)