2012年12月27日木曜日

古文書研究のプロが集結②

先日行われた四国中世史研究会。2日目は、当館の古文書を見ていただきました。

ご覧いただいたのは、当館でもっとも重要な史料である『村上家文書』。
村上家文書は、能島村上氏の村上景親の末裔に伝わる古文書で、当館で保管しています。

今回は、とくに重要な中世文書やその写しなど、約50点をプロの目で見ていただきました。
紙の質を見る方、花押に注目される方、ライトと虫眼鏡で観察される方など、着眼点や観察方法はさまざまです。本物を見ないとわからないことが多い、とみなさん口々におっしゃってました。
考古学も一緒ですね。


つばが飛ばないように、静かに観察します。ハンカチで口を押えたり、
マスクをする方も。もちろん、手は綺麗に洗ってくださってます。
暗黙の了解。古文書観察のマナーです。


筆跡が弱いから写しの可能性もあるね。など、私がまったく考えもしなかった意見があり、とても勉強になりました。この勉強の成果は、お客様にお伝えしなければ意味がありませんので、今後の展示に反映していきたいと思います。

専門家の方と一緒に観察していると、すっかり古文書が読めるような気になっていましたね。
が、一人になるとさっぱりわかりません。学問は一朝一夕にしてならず。わかってはいましたが、そんなに甘くはありませんでした。

プロの方は、原文書を見ながらすらすらと読んでいきます。私は、「翻刻」(ほんこく)と言って、くずし字を楷書にして、読みやすくしているものだと、なんとなく意味がわかる程度です。

古文書を勉強してみたい、というお客様は結構いらっしゃいますが、まずは親しみをもつために、翻刻や解説がある資料を勉強するのが良いかもしれませんね。

そこでおすすめの本が、当館が平成17年に刊行した『今治市村上水軍博物館保管 村上家文書調査報告書』です。


『今治市村上水軍博物館保管 村上家文書調査報告書』
A4版 214ページ 1000円
ご購入の方法は、当HPの刊行物のページをご覧ください。

重要文書については、写真、翻刻、解説を載せており、とてもわかりやすくなっています。
海賊ライブラリーにも置いておりますし、一冊1000円で販売もしています。
ぜひご覧いただき、一緒に勉強しましょう!(K)