2017年6月8日木曜日

新発見!村上家文書 見どころ②

前回(約1ヶ月前)のブログに引き続き、
企画展「能島村上家伝来資料群」の
見どころを紹介します!

前回のブログはこちらです

http://suigun-staff.blogspot.jp/2017/04/blog-post_29.html

新たに発見された「船手」と記された、毛利の殿様からの手紙。
調査を進めていくなかで、
(しみじみとながめていると、)
ふと思いつくことがありました。













昔の人々は、受け取った大事な手紙は、
きちんと後世に伝えるために、
写しを作成することがあります。

現在の我々が、
大事な書類はきちんとコピーを取り、
きちんと保管・保存するようなものです。

今回新たに見つかったもののなかにも、
江戸時代に能島村上家で作成された
戦国時代の古文書の写しがあります。

そうであるなら、
新しく見つかった毛利の殿様からの手紙も、
実は写しが作成されているのではないか、、、

そう考えたときに、
博物館で保管している村上家文書のなかに、
江戸時代の古文書を写した冊子があったことが脳裏に浮かびました。

私は、そう考えるや否や、
収蔵庫に向かいました。

そして、江戸時代に古文書を写した冊子を見てみると、、、












今回発見された古文書が写されていたのです!
(左のページです!!)

今回の新発見の古文書は、
江戸時代の能島村上家で筆写されていた、
ということになりますので、
新発見は”再発見”でもあったということになります。

今回の新発見は、日本遺産の調査研究事業によるものですが、
村上海賊の日本遺産のサブタイトルは
「よみがえる村上海賊”Murakami KAIZOKU"の記憶」です。
今回、江戸時代に写されていた古文書が、
再び発見されたことは、
まさに、
「よみがえる村上海賊”Murakami KAIZOKU"の記憶」
と言えるのでないでしょうか!


(以下、反省と感想)
と、得意げに書いてきたわけでありますが、
これまで、そうした写しがあることが、
把握できていなかったと言えば、
その通りですし、
私の調査がそこまで及んでいなかったというのも、
厳然たる事実ですので、
博物館で保管しております村上家文書の江戸時代のものも、
これまであまり活用されて(して)きませんでしたが、
きちんと調べていかないといけないなと、
改めまして思った次第であります。

そうした意味では、
今回の新発見に、
背中を押されたようにも感じる、
学芸員Oでした。

企画展は(おそらく)大好評開催中!
6月25日(日)まで!