2017年7月28日金曜日

企画展「守る海賊から船手組へ」~花嫁を守る村上海賊~

7月1日より開催中の、
企画展「守る海賊から船手組へ」!





















中世(室町・戦国時代)の村上海賊と、
近世(江戸時代)の船手組村上氏の展示ですが、

中世の守る海賊では、
中世の瀬戸内海で活躍した村上海賊が、
いわゆる「パイレーツ」とは異なり、
「守る」という役割を果たしていたことを、
関連資料を踏まえて紹介しています。

今回の展示で大きく取り上げているのが、

花嫁守る海賊

です!

時は1581年、本能寺の変の前年のことであります。
中国地方の覇者毛利輝元と、
伊予(愛媛)の河野通直は、
友好関係を深めるため、
毛利輝元の姪が河野通直のもとに嫁ぐことになりました。
政略結婚と言われるやつです。
戦国、乱世を感じますね。(ヒエェェーーー!!!)
















←関連系図



中国地方から伊予に嫁ぐということで、
この花嫁(毛利輝元姪)は、輿入れするために、
瀬戸内海を渡ったということなんですが、
その時にこの花嫁っていたのが、
村上海賊(能島村上氏)なのです!(ドヤ!)

村上海賊は時として、こうした要人を「守る」
今で言うところのSP(Security Police)
のような活動もしていました。(DOYA!)
                

今回の企画展では、
婚姻の翌年に、毛利氏重臣が村上武吉(能島村上氏)に、
花嫁警固のお礼を述べている手紙を、展示しています。











 


※写真の左の古文書です。三原に出張していたため、複製を展示しておりましたが、帰館しましたので、先日から原本を展示しております。おかえり!!


瀬戸内海を渡って輿入れする花嫁村上海賊守ったということですので、
講演などでこの話をするときには、

瀬戸花嫁守る村上海賊!!
などと紹介しております。

こうした海賊が活動していた事例も、このように
瀬戸花嫁」という言葉を使うことによって、
少しはとっつきやすいものになるかと思います。
瀬戸花嫁」という名曲のおかげです。
こちらに来てから、「瀬戸花嫁」をよく耳にしますが、
その度に美しいメロディーラインに心癒されます。

そんな名曲「瀬戸花嫁」を作曲された平尾昌晃氏が、永眠されました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
私は趣味で喇叭を吹いておりますが、
平尾昌晃氏が、音楽を監修された某ドラマシリーズの喇叭は、私の永遠の憧れです。
あんな哀愁漂う音をいつの日か出すことができれば、、、
夜な夜な喇叭を吹いております、、、

               学芸員O