2013年2月16日土曜日

上島町の民具整理

先日、ある文化財関係の会議で上島町に行ってきました。

上島町では現在、町が保管する民俗資料や考古資料の保護を目的として、整理作業を行っています。私の専門は考古学なので、民俗資料のことは少ししかわかりませんが、学芸員の立場で、資料の保管や活用の方法について、少しだけお手伝いをさせていただいています。

今年度は、民具の整理を中心に行っているそうで、まずは種類別に分類をし、名前、年代、用途、大きさ、収蔵場所などを詳しくカードに記録していきます。資料にも札を付けて、台帳と照合できるようにしていきます。



整理中の民具。種類ごとに分類され、
一つ一つ丁寧に台帳を作成します。


上島町の民具の整理をご指導されている愛媛県歴史文化博物館の学芸員さんのお話によれば、大変詳しい作業員の方が一つ一つを熱心に調べて、丁寧に台帳を作成されているので、他の市町も見本となるような整理になっているということです。
また、小学校の社会科の授業の一環で、整理中の民具を見て、触れることができるような活用の試みも始めているそうです。このような取り組みを通じて、少しずつ文化財保護への機運が高まれば良いと思います。

当館が所在する宮窪町の場合もそうなのですが、古民家の倉庫などに、珍しい民具が眠っていることがあります。保管している資料の整理とともに、新しい資料の発見にも積極的に努めていただければ良いですね。とくに、上島町は「塩」づくりの歴史や文化が脈々と生きづいていますし、それを活かそうという積極的な取り組みも見られます。塩づくり関連の民具は生名島などでいくつか残っていますが、もっと残っていても良いと思います。地域の特色を示す資料の新発見に期待がかかります。(K)