2021年5月15日土曜日

「#おうちでバリミュ⑳」 「古文書」を楽しもう!(4)本文を読んでみよう!

今回は、ついに本文を見ていきます!





前回いつ」「誰が」「誰にという部分を見ました。


八月十三日」に「毛利輝元」から「村上勝太郎(元武)」と「村上三郎兵衛(景親)」に出されたお手紙であることが分かりましたね。


今回は、何を伝えようとしていたのかを見ていきます。


くずし字を活字化(翻刻)してみると、




原文には句読点がつけられていないので、漢字の羅列になっています😱

そのため、まずは文章の区切れを考えてみましょう。



①読点をうってみる!

ここでポイントになるのが

今でいうです・ますにあたる「候」が語尾につくことが多いので、このような手紙に使われる文章のことを「候文」とも言います。

「候」を頼りに区切ってみると…




このような感じになります。

〇をつけたは、いろいろな使い方がありますが、ここでは
「~のじょう」と読んで「~なので」の意味。

「候条(そうろうのじょう)」=「~ですので」


これで文章の区切りが分かりました。

しかし、このままの順番では読めません。

日本語ではありますが、漢文のように返って読みます。




②返り点をつけてみる!

古文の授業で習ったレ点・一二点をつけてみましょう。





為(~のため・~として)」「以(~をもって)」「従(~より)のような、下の言葉を受ける文字や

※他にも、「於(~において)」「就(~につき)」「任(~にまかせ)」「至(~にいたり)」などなど

(べし)」「(ず)」「(る・らる)」「(しむ)のような助動詞

が来たら、返りそうだな~と目星をつけます。
(慣れると②の作業なしに③の作業ができるようになります😅)




③書き下し(読み下し)てみる!

漢字だらけの文章も、読んでみると日本語だということが分かります。




この読み方も慣れが必要😢

読めなくても全然大丈夫です!

あの漢文はこんな感じで読むんだなぁ~程度に思ってください。


そして、聞きなれない単語がたくさん😱

分からない単語は辞書で調べてみましょう📖!

(例えば『日本国語大辞典』)




そうした作業を経て、


③現代語訳を考えてみる!

原文のニュアンスをなるべく崩さないように現代語訳していくのはとても難しいのですが、大体以下のような意味になります。




山口県周防大島の「安下崎」というところで悪さをしている「賊船」の調査に関する内容のお手紙だったことが分かりましたね。

この件に関して、差出人の毛利輝元は「一大事」だと考えているようです。


これはいつ頃書かれたものなのでしょう🤔?


前回「いつ」書かれたものなのか確認しましたが、「八月十三日」としか書かれていませんでしたね😅


古文書は、後に証拠書類となるような大切な内容のものには年号が書かれますが、その時限りの内容のものには年号は書かれません。


今回の内容も、連絡をしているだけの内容のため、年号が書かれていないのです。


では、どうやって判断するのか……?


それはまた次回。

もっと詳しく内容を見ていこうと思います😊



※「#おうちでバリミュ」⑦で、M担当回は全4回と言いましたが、臨時休館が5月31日まで延長してしまったので、まだまだ続けます😅



今回のブログの内容もまとめています。

コピーされる方はご利用ください😊








M