2019年3月22日金曜日

3メートルのイカリ!


全長約3mの鉄錨(いかり)が寄贈されました。
能島の隣にある「鵜島」(うしま)に伝わったものです。
鍛造(熱した鉄を叩いて鍛えたもの)のもので、表面には叩いた痕が鱗のようにビッシリ残っています。

アンカーリング(上の輪)やそれに附属したリングの形から、19世紀以降のものと考えられます。
この四爪のイカリは、江戸時代の絵図などに確認できるそうですが、実物は18世紀末~19世紀前半以降のものしか残っていないようです。明治時代の廻船の衰退とともに減少し、昭和初期には見られなくなると指摘されています。

太平洋側、日本海側では研究が進んでいますが、瀬戸内海ではどこにどのような古いイカリが残っているのか把握されていないので、この資料は大変貴重なものになります。

海底に見立てて、中庭に展示してみました。
すごい迫力です。ぜひご覧ください。



2019年3月1日金曜日

能島村上家伝来の江戸時代のひな飾りを展示しています

毎年恒例となりました。
能島村上家に伝わる江戸時代のひな飾りを展示しています。
4月7日(日)まで。月曜休館です。
会場は2階企画展示室です。


江戸時代なので、「村上海賊」時代ではありませんが、その末裔の家に伝わる華やかなひな飾り。

残念ながら、男雛、女雛は残っていませんでしたが、三人官女や衣裳人形と言われるお侍の人形が残っています。蒔絵調度品のミニチュア版とも言えるひな飾りが非常に精巧にできており、見ごたえがあります。

今回少し工夫をしたのは、雛屏風の展示。裏が少し破れており、状態はあまり良くなかったのですが、じつはその破れた部分に、年号の入った裏紙が見えたのです。

その年号は、安永五年。1776年です。つまり安永5年以降に作られた屏風だということになります。今回は、屏風の右側を一部折りたたんで、「安永五」の文字が見えるように展示しております。

とても小さな展示ですが、常設展を観覧された流れでご見学いただけますと幸いです。
もちろん、ひな飾りだけの観覧も大歓迎です。企画展示室のみの観覧は無料になります。
ぜひご覧ください。

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