2013年12月28日土曜日

12月29日~1月3日まで 年末年始は休館いたします。

本年最後の開館日となりました。

今日の朝は、冷え込みがひどく12月になって初めて外気温が0度。通勤途中、あちこち道路(特に橋上)が凍結し、事故が起こってました。

四国は南国で雪と無縁と思われがちですが、年に1・2回大雪になったりもしますので、冬用タイヤの装着など、万全の対応が必要ですよ。


私Dが4月に当館に赴任となって、早いもので9ヵ月の月日に過ぎ去り、博物館の業務にもだいぶ慣れてきました。

博物館は季節によって入館者にも変化があり、12月は特に少なく感じます。

新年1月・2月も寒い日が続くそうで、博物館の入館者も少ないかもしれません。逆にそれがゆっくり博物館をじっくり観覧できるよい機会です。

私自身、あまり人がいない時期に訪れるのが好みです。
毎年、年末年始の休みの間、各地の資料館、大好きな温泉地等を巡る旅を恒例にしていますが、全国の公的な館はほとんど休館になってますね。

せっかく来たのに残念で仕方ないといつも思ってましたが、当館も

☆ 12月29日(日)~1月3日(金)まで 年末年始は休館いたします。 ☆

まことに申し訳ございませんが、ご理解のほどお願い申し上げます。


私は休みを利用し、この本を片手に温泉地巡りに行ってきます。


まだ最初のあたりしか読んでませんが、1週間でじっくり読めるかな?

新年も皆様方にとって良い年になりますように。(D)

2013年12月27日金曜日

10年間をA3用紙2枚に

能島城の学術調査を開始して約10年。
私は平成16年から携わっていますが、あれから10年。感覚としてはあっという間でした。


ただこれまで発行してきた能島城の発掘調査報告書を積み上げてみると、思いのほか高く、重い。いろんな思いが込み上げてきます。が、思い出に浸っている暇はありません。昨年度発掘をした鯛崎島の報告書を3月までに発行しなければ・・・。


ここ2、3年では、研究会や論文、報告などを発表させていただく機会も多くいただきました。浅学を痛感する日々で、まだまだ課題は多いのですが、できる限り体系的な研究を目指しています。
そして、その成果はいち早く、わかりやすく市民の皆さん、来館者の皆さんにお伝えしていかなければいけません。


 
現在開催中の企画展「ここまでわかった能島城」(2月2日まで)では、これまでの研究成果を出土品や発掘調査の写真とともに紹介しています。先日の水軍講座では、多くの方々にご参加いただき、学芸員の説明を聞いて、展示を見て、そして現地を歩くというスペシャルコースをご堪能いただきました。将来の史跡の活用を見据えた試験的な取り組みでもありました。



その時につくった講座のレジュメ。重ねると10cm以上の高さになる発掘調査報告書、そしてその後に発表した論文や報告の成果を、ギューっと凝縮した24ページの資料です。

 この資料は、なかなか好評だったのですが、展示室に置いてご自由にお取りください、というわけにもいかず、さらに圧縮できないものかと考えたのが、こちら↓


久しぶりに作りました。新聞風資料です。これなら文字がいっぱいでも、みなさんが手にとってくださるかなと。

厚さ10cmを超える報告書や、これまで発表をしてきた内容を抜粋、要約してA3用紙2枚に納めました。この資料で全てを知っていただくのではなく、まずは展示をご覧いただいて、おさらいとしてお持ち帰りいただけるように、現在準備中です。

この新聞風資料は、先日Kが講師を務めました、愛媛県生涯学習センターのコミュニティ・カレッジ講座「愛媛の文学・歴史講座」の資料としてまず作ったものです。


じつは反応を求めて開始前のお客さんの様子をジーっと観察していたのですが、新聞だと普段から読み慣れていることもあり、始まる前にみなさんが目を通してくださってました。問題は講座のネタがバレてしまったこと^^。展示解説資料なら問題ないかもしれませんね。

この講座は、10分休憩を挟んで2時間という長丁場でしたので、スライドをたっぷり用意しお話しました。2時間は長いかな、みなさん眠くならないかな、と思っていましたが、みなさんとても熱心に受講してくださったのが印象的でした。

この新聞風資料は、年明け4日頃から企画展示室で配布する予定です。
A3用紙2枚の資料ですが、これを作り上げるために10年間の蓄積があること、歴史を解明するためには、地道な調査研究がその背景にあることを知っていただければ嬉しいです。

能島城の魅力や歴史的価値は、展示や講座、説明資料だけですべて伝わらないと思っています。やはり現地を見て、現地で感じていただきたいと思います。そのためには、どのような整備を行い、それをどう活用していくか。その方法を考え、実行していく。次の10年の課題ですね。


Kの投稿は本年最後になると思います。ご愛読ありがとうございました。
来年もどうか村上水軍博物館をよろしくお願いします。

年末年始は、12月29日~1月3日まで休館日いたします。

よいお年を!

K

 
 
 



2013年12月25日水曜日

心も温まる東部海岸傾斜面を発掘調査中! その先には謎の大穴あり。

みなさん。サンタクロースさんにプレゼントもらえましたか?
私はもらえましたよ。。ゥフフ。。

寒い北風が身にしみる季節が深まってきました。


先日「鵜島ダック」 能島城襲撃事件の後も、南斜面で暖かい海を望みながらの調査作業も進んでいます。

こちらの場所は、クヌギの木の葉っぱが唯一、多く残っている場所。季節風がそれほど当たらず、まだ頑張っている木が2本あるところです。

草を刈ると通路のような形状。早速掘ってみると、以前紹介した北部船溜り斜面の通路によく似た通路状の遺構と思われるものを、現在丁寧に調査中。岩盤を人為的に削りだしたものです。


このトレンチを設定する以前に、南側斜面をカニ歩きで調査。
もろい岩盤がむき出しになっている場所が多く、写真奥から先は、特に急斜面になります。

  草木のトンネルを抜けると想像を絶する急斜面



カメラを水平にして北側から見た傾斜角度

 
ひとが作業している部分が、木をつかんで登ると何とか通れる感じです。
 
この通路を追いかけた先には、謎の大穴が存在します。
 
 
  
博物館から見ると、こんな感じです。実際に登れそうな斜面からカニ歩き(緑の線)で登ってみると、ちょうど赤矢印のトレンチの場所にたどり着きます。
 
通路(登城路)と推測される遺構が確認された場所は船溜り斜面、今回の東部海岸斜面。
残るは、新年1月から始める南部平坦地~郭Ⅱ(二ノ丸)にかけての通路発見に期待がかかります。
 
 能島城も広葉樹を中心とした木々の葉が落ち、お城らしくなってきました。(D)
 


2013年12月21日土曜日

大雨・雷雨になる前に能島城を退去

丸一日、発掘作業をする関係上、天気予報の情報は欠かせません。

作業開始前にチェックしていても この時期、天気が急に変化することがあります。


その昔、上空の天気が怪しくなると、現場作業中に事務所へ電話連絡します。
事務所の人にレーダー予報等の情報を見てもらってもらうのですが、私の耳で想像し、確認しながら現場で作業していました。

今ではスマホなどの情報端末で、気軽にチェックできるため重宝しています。



能島周辺は宮窪側(西側)にすぐ高い山がそびえていることから、見通しが利きません。


唯一、大三島方面が見通せる本丸、二の丸、三の丸。ここが急変を知らせるよい場所です。

この日は東部海岸の斜面で作業をしていたため、北方の天候がなかなか確認できません。
夕方近くになると、少しづつ天候が怪しくなってきました。

帰るには片づけの準備をしなくてはいけません。そのまま作業をしていると…


  瀬戸内の燧灘 ( 宮窪沖 ) 方面から漁船たちが次々と寄港し始めていました。沖合からは北・西方向の天候がよくわかるのでしょう。

 
 
  すかさず現役漁師さんである作業員さんが片づけして引きあげよう! との提案。内心まだできると思いつつ、後片付けの号令を発布します。


  雨が降るとせっかく掘った場所が濡れてしまい、よくわからなくなるため作業が終わるとブルーシート ( ビニール製のシート ) をかぶせます。


  宮窪港に到着すると能島上空を境に天気が激変?? 間一髪、危機を脱し、ずぶ濡れは免れました。
 

  ここは海城能島。船がないと帰ることができないのです

   船の定員もありますし、出航の準備もあります。とっさに脱出するのは難儀。

 海城を守も攻めるも我々人間は、船がないと泳いで渡るしか方法がないのです。(D)

2013年12月17日火曜日

宮窪小学生たちのまちなか探検教室 in 「能島発掘体験」

宮窪小学校6年生の希望者が月に一回参加する「まちなか探検教室」。

今回は、能島城で発掘体験に行ってきました。

能島に上陸する前に、まずは能島の現状と「発掘調査」そのものについて博物館の講座室で学習!


発掘調査の作業自体が初めての子供たちですので、慎重に作業するようアドバイス。


潮流体験船に乗り込むと、寒そうな厚い雲と冷たく細かい霧雨が早速出迎えてくれました。


が能島についた途端、南側から暖かい太陽の光が生徒たちを暖かくしてくれます。


先日、あらかじめ準備しておいた場所での作業。木の根や矢竹の根が多くあるところで、みんなの作業のじゃまをしてしまいます。

初めは、おぼつかない作業でも慣れてくると「いぶつが出てこない!!」 不満そう。。


数分後に「出た~~!!」と第一声。それから次々と「村上海賊たち」が使っていた遺物は掘り出されます。

「これはなに??。」 (宮窪小6年生)

「壺か甕の口縁部分だよ。今掘ってる土の層の専用袋に入れてね。。」

詳しくは後で博物館の展示室で探してみて!! (D)


少ない人数で、狭い調査トレンチを1~2cm程度少しずつ丁寧に削り、掘り下げていきます。


最後には、ほぼ全員遺物を見つけちゃいました。


能島城からの帰り道。

潮流体験船のスピードと波の振動が冷たい海風と相まって、ジェットコースターのように上下します。


博物館に帰ってくると、そのまま能島城10年の発掘成果を企画展示している2FへGO!


子供たちはすかさず大きな甕の前に立ち止まり、「これなに?」

今日掘った「いぶつ」と同じものがここにあるよ!


「今日行った場所はここやね~。。」

少しは考古学や能島城の歴史などに興味を持ってもらえたかな?

史跡整備のための能島城発掘調査は、足かけ10年以上調査を行い、実は今年で最後の調査となります。

もしかしたら、能島城で最後の発掘調査を体験した小学生たちになるかも? (D)

2013年12月13日金曜日

能島の岩礁にアニマル達がやって来た!

忙しい師走日に入り、日に日に寒くなってきています。

ほぼ毎日のように「浮島」現象が見られます。


冬の北風によって落ち葉がいっぱい。現在能島の郭はふかふかです。
夏場は広葉樹の葉っぱでカモフラージュされていたのですが、見通しがさらによくなり、いかにも「中世の海城」らしくなってきました。


能島城は上空から見ると三角形。いろんな方向ににらみを利かせれる地形ですから、風向きがわかると西の風から北の風になったりします。

今年の調査は、小さいながらも10箇所に散らばっていることから、その日の風の状況で場所を変更したりもします。

この日は、週末に宮窪の小学生たちがやってきて「発掘調査体験」を行う関係上、その場所の下準備。そこは今年の設定トレンチで一番広く平坦な場所で南向きの温かい場所です。


つかの間のお昼休み中に思わぬアニマル達が能島にやってきました。

「鵜島」と呼ばれる能島の北東方向にある有人島。そこからちょうど潮止まりの時間に列をなして泳いできました。


鵜島に近い、東部海岸の岩礁ピットが広がっているあたりで、能島の良質な「ひじき」を美味しそうに食していました。




この後3時間ぐらいひたすら食し、私たちが休憩する時間になると、鵜島に帰りはじめました。でも上から見渡すと、荒神瀬戸(能島と鵜島の間)は満ち潮になり、結構な潮の流れ。。


羽ではばたき、足蹴りで渡るのかなと思いきや。。。




小さくて非常に見えにくいですが、来た時と同様、ちゃんと一列に編隊を組んで潮目を読み、無事帰島。

その様子を一部始終見ていた私たちは、「鵜島ダック」と名付け、みな感心していましたよ。

今季の調査中、どんなアニマル達に遭遇するか楽しみです。(D)
 

2013年12月10日火曜日

水軍バリィさん七変化 Ver.12 今年も「サンタCバリィさんとCツリー」がお出迎え

恒例の月別バリィさん


今年も早くあっという間でしたが、あと2週間で、みなさんも街にもサンタクロースがやってきます!!


思わずプレゼントグッズにしたいほど精巧に造られており、水軍レディさん達には毎回脱帽しちゃいます。。




ロビー中央にはCセールのようなCツリーが。。。



                      「のしまくん」もいますよ!!


2Fでは、今年健闘した「みきゃん」とバリィさんのコラボが、企画展入口でご案内!


ご来館時は観覧無料ですので、ぜひのぞいてみてください。(D)