2012年11月20日火曜日

出土品を手に取って

今日、滋賀県の大学4年生K君が、当館に保管している見近島や能島城の出土品を調査するために当館へやってきました。卒業論文制作のための資料調査だそうです。


一つ一つ手に取って
K君は、中世の時代の瀬戸内海をめぐる流通に興味があるそうで、備前焼、硯(すずり)、茶臼、中国産の陶磁器などを熱心に調査していました。

高く積み上げられたコンテナ、それにびっしりと詰まった土器の量に、最初は呆然としていましたが、一つ一つ実物を手にとって観察し、実物を前に学芸員などと議論することで、色々な発見があったようです。どんな論文を書き上げるのか、大変楽しみです。

毎年3,4人、卒業論文で村上水軍の古文書や海賊の遺跡を扱いたい、という学生さんが当館にやってきます。ただ、実際に史料や出土品を手に取って見ることなく、展示を見て、学芸員にわからないことを聞いて、調査を終える方も少なくありません。

今回のK君のように、実物を手に取って観察することでしか得られないことも多くあると思います。
もちろん、貴重な資料ですから、取り扱い方を学んでいるというのが前提ですが、できる限り、資料調査の要望にお応えしたいと思っています。学生のみなさん、お気軽にご相談ください。

卒業論文か・・・。私にもそんな時代があったことを思い出します。提出前には徹夜で作業したり、期限ギリギリでデータが消えた友達をみんなで助けたり・・・。卒論にはドラマがありました。(K)