日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色を通じて、日本の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定するもので、平成27年度から始まった制度です。四国では「四国遍路」についで2件目の認定になります。昨年度は18件、本年度は19件が認定されました。
2020年の東京オリンピックまでに、日本全国で100件の認定を目指すそうです。
このたび認定されたのは、ストーリーのタイトルは、
“日本最大の海賊”の本拠地:芸予諸島-よみがえる村上海賊“Murakami KAIZOKU”の記憶-
通常の文化財の指定(国宝や重要文化財、史跡など)とは違い、ストーリーに位置づけられる村上海賊関係の複数の文化財をパッケージ化して(まとめて)、認定されます。
ストーリーの概要はこちら↓
戦国時代、宣教師ルイス・フロイスをして“日本最大の海賊”と言わしめた「村上海賊」“Murakami KAIZOKU”。理不尽に船を襲い、金品を略奪する「海賊」(パイレーツ)とは対照的に、村上海賊は掟に従って航海の安全を保障し、瀬戸内海の交易・流通の秩序を支える海上活動を生業とした。その本拠地「芸(げい)予(よ)諸島(しょとう)」には、活動拠点として築いた「海(うみ)城(じろ)」群など、海賊たちの記憶が色濃く残っている。尾道(おのみち)・今治(いまばり)をつなぐ芸予諸島をゆけば、急流が渦巻くこの地の利を活かし、中世の瀬戸内海航路を支配した村上海賊の生きた姿を現代において体感できる。
この日本遺産に認められた文化財は、今治市・尾道市の両市で42件。村上海賊の海城や、ゆかりのある神社やお寺、郷土料理などで構成されます。
例えばこちら↓
国指定史跡 能島城跡 (撮影:添畑薫氏 今治市宮窪町) |
能島村上家伝来資料群 「猩々陣羽織」(村上水軍博物館) |
県指定史跡 甘崎城跡(今治市上浦町) |
県無形民俗文化財 椋浦の法楽踊り(因島) |
日本遺産に認定されると、村上海賊に関わる歴史遺産のブランド強化が図られ、情報発信や人材育成、調査研究など、国からさまざまな財政的支援を受けながら、事業を行うことができます。
このブログでも少しずつ日本遺産について紹介していきたいと思います。
日本遺産に関連して、
村上水軍博物館では現在、企画展「海の覇者 村上武吉ヒストリー」を開催しています。
(8月21日まで)
日本遺産に認定されたストーリーの主人公とも言える、村上武吉の波瀾に満ちた生涯を、資料や写真で紹介します。
今回の目玉は、日本遺産の構成文化財でもある『光林寺文書』に収められた「村上武吉寄進状」です。今治市玉川町にある光林寺の寺宝を当館では初めてお借りし、特別公開いたしました。
なんと、この古文書には、これまで諸説があった村上武吉の生まれ年を解明するカギが隠されていたのです。その答えはぜひ実物で確認してください。
観覧無料です。ぜひご覧ください!
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