能島城の散策や宮窪方面から能島城を観られた方は、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、能島は今、周囲からも一目で中世の城、海城、能島城とわかるように、古来にはなかった高い樹(クヌギ)などを中心に伐採を進めています。
今年度も博物館側からもはっきりと能島だとわかるような伐採作業を新年早々開始予定です。
こういった景観整備を進めていく中で、最近議論され伐採を行う予定である中に、能島の桜があります。
桜に思い入れの強い地元の方には特に周知していただきたいことなのですが、来年度からはしっかりと説明していかないといけない案件ですので、これからも整備工事の状況等、ブログにアップしていきますね。
桜の木の根による 遺構・遺物の損壊状況 ( 不許転載 )
またその根を伝った雨水などが側面の岩盤を浸食、崩壊させたりする状況も確認されています。
以上のような事例と、平成28年度と平成29年度に実施予定である能島城内の雨水排水管設置工事で直接桜の木の根が当たってしまっていずれにしても、木の根を切ってしまわないといけないのです。
但し、能島及びその周辺は環境省の定める瀬戸内海国立公園 第1種特別地域内に属するため、関係各庁との連携、意思疎通、各種申請等が必要なのです。こういったことから十分に審議及び協議されていく案件でもあるため、これからは調整等も必要になってきます。
今は計画段階ですが、能島の整備作業はこれからどんどん進んでいき、おそらく訪れるたびに変貌していくと思われます。
今は桜も最盛期の頃に比べ、だいぶ落ち着いてきているようですが、能島城は国指定の史跡。本来は中世の海城で桜の島ではなかったのです。昭和の初めに植えられ始めた桜の木。
これからは「桜の島・能島」は卒業して「史跡の海城・能島城」への変貌していく時期なのです。(D)