私は平成16年から携わっていますが、あれから10年。感覚としてはあっという間でした。
ただこれまで発行してきた能島城の発掘調査報告書を積み上げてみると、思いのほか高く、重い。いろんな思いが込み上げてきます。が、思い出に浸っている暇はありません。昨年度発掘をした鯛崎島の報告書を3月までに発行しなければ・・・。
ここ2、3年では、研究会や論文、報告などを発表させていただく機会も多くいただきました。浅学を痛感する日々で、まだまだ課題は多いのですが、できる限り体系的な研究を目指しています。
そして、その成果はいち早く、わかりやすく市民の皆さん、来館者の皆さんにお伝えしていかなければいけません。
その時につくった講座のレジュメ。重ねると10cm以上の高さになる発掘調査報告書、そしてその後に発表した論文や報告の成果を、ギューっと凝縮した24ページの資料です。
この資料は、なかなか好評だったのですが、展示室に置いてご自由にお取りください、というわけにもいかず、さらに圧縮できないものかと考えたのが、こちら↓
久しぶりに作りました。新聞風資料です。これなら文字がいっぱいでも、みなさんが手にとってくださるかなと。
厚さ10cmを超える報告書や、これまで発表をしてきた内容を抜粋、要約してA3用紙2枚に納めました。この資料で全てを知っていただくのではなく、まずは展示をご覧いただいて、おさらいとしてお持ち帰りいただけるように、現在準備中です。
この新聞風資料は、先日Kが講師を務めました、愛媛県生涯学習センターのコミュニティ・カレッジ講座「愛媛の文学・歴史講座」の資料としてまず作ったものです。
じつは反応を求めて開始前のお客さんの様子をジーっと観察していたのですが、新聞だと普段から読み慣れていることもあり、始まる前にみなさんが目を通してくださってました。問題は講座のネタがバレてしまったこと^^。展示解説資料なら問題ないかもしれませんね。
この講座は、10分休憩を挟んで2時間という長丁場でしたので、スライドをたっぷり用意しお話しました。2時間は長いかな、みなさん眠くならないかな、と思っていましたが、みなさんとても熱心に受講してくださったのが印象的でした。
この新聞風資料は、年明け4日頃から企画展示室で配布する予定です。
A3用紙2枚の資料ですが、これを作り上げるために10年間の蓄積があること、歴史を解明するためには、地道な調査研究がその背景にあることを知っていただければ嬉しいです。
能島城の魅力や歴史的価値は、展示や講座、説明資料だけですべて伝わらないと思っています。やはり現地を見て、現地で感じていただきたいと思います。そのためには、どのような整備を行い、それをどう活用していくか。その方法を考え、実行していく。次の10年の課題ですね。
Kの投稿は本年最後になると思います。ご愛読ありがとうございました。
来年もどうか村上水軍博物館をよろしくお願いします。
年末年始は、12月29日~1月3日まで休館日いたします。
よいお年を!
K