先週、天気のいい中、博物館ボランティア・パートナー「せんどうさん」と一緒に日帰りの研修旅行に出かけました。
行先は対岸の福山方面。中世の歴史を学習するにはもってこいの博物館、資料館が点在しています。
今回は、午前中、草戸千軒のリアルな展示が有名な広島県立歴史博物館さんにお伺いしました。
ここは中世の歴史資料を学ぶには最適の場所であることと、国立歴史民俗博物館でも開催された『時代を作った技-中世の生産革命-』という大変見応えのある展覧会を開催されていたことも選定理由です。
個人的にも興味をそそる内容の企画展であり、団体客ならではの特典も。。
なんとS主任学芸員直々の詳しく丁寧な解説付き!
中世日本の技術進化や、技術流入過程における当時の技術者がいかに知恵を絞り、今の技術立国日本の礎を担ったかなど、見どころを少ない時間にも関わらず解説していただきました。
特に漆製品に使われる漆などは、高価な日本の漆製品とタイなどの東南アジアでとれる比較的安価な漆やハゼを用いた製品などを比較。遺跡から出土したタイ製の土器や漆の成分分析の結果、原料そのものを海外から安く輸入し、日本で加工製造し、完成品を海外にも輸出していたという、なんとも今の日本の産業構造と変わらないことを行っていたことがわかってきているようです。
また中世の和鏡などは、本家中国のブランドも脱帽の製品を作れる技術水準に達していたようで、日本で作った製品にわざわざ中国ブランド を刻印するほどだったそうです。
当時から高精度の製品を作成する技はお家芸だったのでしょう。
その他いろいろな見どころを随時解説していただき、「せんどうさん」の頭の中にインプットされていきました。
広島県立歴史博物館 企画展「時代を作った技―中世の生産革命―」 見どころ紹介
⇒ http://www.hiroshima-bunka.jp/modules/news/article.php?storyid=110
続いて、常設展示室。広島の原始から近現代までの歴史を観覧。
ここは何と言っても有名な中世集落遺跡「草戸千軒遺跡」がリアルに復元展示されています。
広島県立歴史博物館 常設展示室 ⇒ http://www.manabi.pref.hiroshima.lg.jp/rekishih/
同遺跡から土器編年が組めるほど大量に出土した土師器や備前焼の甕などの生活土器が多数展示されています。
せんどうさんたちは、きっと能島城の出土土器を頭の中で比較していたことでしょう。
で、ここにもありました。着付体験。
時間の都合上、着付をすることはできませんでしたが、次回またやってみたいものです。。
最後に、宮窪からも貸出された「マタダルマ」などの大島石採石の道具や現在の採石状況のビデオなどを閲覧。
というわけで、午前中は充実した中世を堪能しました。(D)