2013年8月7日水曜日

瀬戸内海に存在した石風呂

連日、暑い日が続き、水風呂が気持ちよい季節ですが、
「石風呂」をご存知ですか?

石風呂とは、自然海岸の岩山などが波の浸食等で自然に形成された穴を利用した施設。
内部が狭い場合は、岩盤を切り抜き、横穴をさらに広げ、レンガなどで内部を補強。
横穴を利用した地下施設で、いわゆる天然の蒸し風呂のことです。

内部面積は様々ですが、横穴の中でシダを焼き、その上に海水で浸したムシロを敷きつめ、穴にこもった熱(最大で100℃近く)と蒸気で体を温めるという、「天然のサウナ」。

これら石風呂は古くから瀬戸内海沿岸各地にあり、地元民が長く利用していたようですが、昭和30年代から「サウナ風呂」が普及し、次第に利用者が減り、廃業に追い込まれたようです。
  

ここ宮窪でも昭和30年頃までは博物館のすぐ近くにあったようです。


今では使われていなく、倉庫のようになっていますが、当時は目の前が海岸線であったと思われます。

今治地方にはその昔、もっとあったようですが、石風呂が多く見られます。


今治地方で一番有名だったのが桜井の石風呂。平成21年頃から管理運営上、やむを得ない都合により、お休みさせていただいているようです。
 

 
乾燥させたシダなどで焚き、燃え尽きると海水などで濡らしたムシロを敷き詰め海水をまんべんなくかけ、蒸気をたてるという古風な方法は、伝統的に継承し文化を伝えてほしい気もするのですが、経営上、難しいのでしょうね。
 
こちらが浜辺から見た現在の状況。先日、マイボートで海路から上陸しましたのですが、残念ながらレンズに水滴が付き心霊写真のようになっちゃいました。ちょうど水滴がついているあたりが石風呂本体の位置で、海岸に飛び出した岩の中にあります。

この他に私が知っている石風呂は、来島海峡に面した海岸にもありました。
 

14.5年ぐらい前に、事前調査で内部・外部を測量調査いたしました。ここは、新規に飲食店を建設するために外面は取り壊されましたが、内部は今でも倉庫として使われているようです。



バス停にも地名が残っています。

私もよく近くのサウナ付温泉に行きますが、この時期、野外は連日すでに天然サウナ状態ですので、海水浴で十分だと思っていました。
 

が、行ったことがある人に話を伺うと、にいってこそ、ねうちがあるものよと。。。

石風呂は真夏限定の風物詩。 久しぶりに近くのサウナに行ってみないといけません。
 

それにしても海水浴に「」は欠かせません。(D)