2013年1月12日土曜日

村上水軍の主要な古文書が一冊に

最近、私が手放せない史料集があります。
2012年6月に発行された『戦国遺文-瀬戸内水軍編-』(東京堂出版)です。

その名の通り、戦国時代の瀬戸内の水軍に関する古文書を集めた専門書です。
掲載されているのは応仁元(1467)年から天正14(1586)9月までに出されたもので、主要な古文書1351通が収録されています。

この本には、当館が保管している『村上家文書』もいくつか収録されましたので、このブログで紹介させていただきました。当館の資料に関する調査報告書や専門書については、今後も随時紹介していきたいと思います。

村上水軍の古文書を調べようと思った時、慣れない私は、『愛媛県史』、『山口県史』、『今治郷土史』など自治体史の資料編や、『しまなみ水軍浪漫の道文化財調査報告書-古文書編-』、『今治市村上水軍博物館保管村上家文書調査報告書』などの報告書を山積みにしていました(写真左)。




それがこの『戦国遺文-瀬戸内水軍編-』は、主要な古文書が一冊に、しかも年号順にまとめられ、さらに翻刻(くずし字を楷書にしたもの)されたものが掲載されているので、古文書の専門家ではない私でも、とても勉強しやすく、便利な史料集なのです(写真右)。

『戦国遺文』には、古文書の解説や考察、写真などは載っていないので、それらを詳しく勉強するためには、もちろん報告書や自治体史を調べなければいけませんが、まず、手がかりを得るためによく利用させてもらっています。

誤解の無いように付け加えますが、写真左の山積み書籍の内容がすべて右の『戦国遺文』に入っているのではなくて、水軍に関する主要な古文書の翻刻が年号順に収録されているということです。

とても高価な史料集なので(定価19000円+税)、現在はまだ当館の海賊ライブラリーには置いておりませんが、興味のある方はお尋ねください。研究用に一冊、私の手もとにあります。よく使うのであちこち付せんだらけですが・・・。

なお、すでに持っておられる方で、当館のブログをご覧になられている方のために、同書の正誤表を掲載させていただきました。正誤表は編集者の方からのご依頼で掲載しています。ご利用ください。(K)


『戦国遺文-瀬戸内水軍編-』正誤表はこちら↓
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/personal/murai/setouchi/setouchiibun.html

なお、このブログの内容は、『戦国遺文-瀬戸内水軍編-』の購入を斡旋するものではございません。
購入をお考えの方は、各自でインターネットでお調べいただいたり、書店等にお問い合わせいただければ幸いです。